ジョディ・フォスターが演じるのは訓練生として男性訓練生とも互角に
訓練をこなすクラリスというFBI研修生です。
訓練も修了に差し掛かっていた頃、彼女は連続猟奇殺人の事件について
投獄中のアンソニー・ホプキンスが演じるハンニバル・レクター博士の助言を得て、
捜査のヒントを仰ぐよう上司のクロフォードに指示されました。
彼は精神科医ですが猟奇殺人者として服役しているのです。
レクター博士はクラリスが気に入ってしまい、FBIに捜査協力することを了承しました。
居場所を失った彼らの、貧しくても愛だけはある疑似家族
本当の居場所だったのか?
本作については、ストーリーは割愛します・・・
(私のインプレッションを記載するにとどめておきます)
この一家は不幸に写りましたか。
それとも、ひと時でも幸せだった思いますか?
情があればそれでいい、愛情が全てと考えたい、と切望するのですが、
その場しのぎの安易な思考と行動が積み重なっていきます。
問題が発覚した時にだけ、大慌てします。
しかし、現実の社会に適応出来ない、彼らに
なんとも言い表せない思いやりや愛や寂しさを感じてしまいます。
万引きを当然の行為とした普通ではない家族関係。
ネグレクト(育児放棄)、年金不正受給、DVなど
さまざまな社会問題をリアリティに描いていて、最後は
それぞれがあるべき場所に戻っていくところで終わります。
しかし、それが解決とは言い難く、とても考えさせられる作品でした。
社会的常識や正論を言うことは容易いのです・・・
「この子、可哀そう」
ただ、ただ、他人の子に惜しみない愛情を注ぐ
安藤サクラさん演じる信代の圧倒的「母性」に胸が締め付けられるのでした。